ベイスターズとスポーツ界を勝手に見守るブログ

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ベイスターズの2018年を振り返る

先日セ・リーグ全体について振り返ってみましたが、今回はベイスターズについて雑感を書こうと思います。
細かいミクロな分析指標よりも、かいつまんだ雑感と提案をメインに記します。

■攻撃
今年のベイスターズは得点がリーグ最下位でした。各所で言われるように、早打ちが目立ちました。チームの全体の四球も少ないですし、選球眼の目安と言われるBB/K(一つの三振をする間に四球をとった率、高いほど良い)において、セ・リーグのワースト5にロペス倉本嶺井と3名ランクインしているのもチーム戦術として徹底されていた証拠でしょう。
チーム全体での結果が出ていないので非難はやむなしですが、戦略としては間違っていないとおもいます。統計学としての野球を見ていくと、カウント別の打率はファーストストライクを打つ場合がもっとも高いとされています。追い込まれてから苦しいスイングをするよりも強い打球が打てるという推測にはなりますが、おそらくそこに異論はないでしょう。ただし結果が出ないとどうしても淡白な印象になりますし、事実相手投手の球数も増えず短い攻撃になってしまいます。
ここからは勝手な解釈ですが、今年のベイスターズは年間を通して早打ちの実験をしたと感じています。実験をというと勝負を侮辱するように聞こえますが、最も成功率の高いとされる作戦を年間通して実践したという意味ではおかしなことはなにもないと思うのです。契約更改で成績のわりにダウンが少ないと感じる方も要るでしょうが、一般企業でもマネジメントの指示通りに仕事をこなしているにも関わらず減給なんてことはありません。選手はみんな作戦通りに戦い抜いたんですから。ただしこれはもちろん今年に限ったことであり、続くようでは困ります。プレーする選手の判断が必要な場合も多数あるわけなので、あくまでも今年は若いチームが故にひとつの方法としてこの戦いを徹底させた=今後どう活かしていくか、が大切ですからね。
それを踏まえての提案ですが、チームの中でもフリースインガーのロペスは一定の成績を残している訳なので、長打が打てる打者においては引き続き早いカウントでの勝負を徹底すべきでしょう。そこの線引きについてはキャンプ、オープン戦を経て打球速度打球角度が一定以上の場合で問題ないと思います。得点と三振に正の相関があるくらいなのでそれは恐れず継続すべきと考えます。
ただ、そうでは無い打者においてのアプローチは考える必要があります。月並みではありますが、前提として各自が自分の傾向を把握してもらいます。得意なコース、カウント、体調の変化などなど。そのうえで考えたバッティングをしてもらいたいと思います。曖昧ですが、考えたバッティングという定義は「打席が終わったあとにどういう意図だったのかを説明できる」バッティングとしたいと思います。現ソフトバンクの内川選手が横浜で首位打者を獲得した際に意識したと言っていたことまんまですが!後者の打者においては、結果がどうあれ自身の特性を理解した上でその点を徹底さえしてもらえればおのずの一定の効果は期待できると思います。言い換えると「無駄なアウトを与えない」とも言えるでしょうか。早いとか遅いとかは気にせずそういう攻撃を期待しています。

■投手
こちらも各自の成績は置いといて、今年のベイスターズにおいて良く言われたことは先発の投球イニングの短さ、中継ぎ投手登板数の多さでありました。
ただ、こちらも先発投手を5-6回で降板させること自体は理に叶っています。先発投手は攻撃が三順目にはいるときが一番失点が多くなるとされています。5-6回辺りは先発投手が投げ続けることで失点する確率がグッと上がるので、そのリスクを下げなおかつ消耗品である投手の肩を温存しローテーションを守る、というやり方を最優先したものだと考えます。
ただしそうすると同時に中継ぎ投手の登板数問題が当然出てきます。今年は山口鉄、浅尾、佐藤達など年間60試合以上を複数年続け酷使が指摘されていた投手が多く引退しました。彼ら偉大な投手達への敬意は尽きませんが、長く活躍するためには出来れば年間で50試合程度を適正と仮に考えてみます。単純計算ですが、毎試合先発が5回でマウンドを降りるとした場合、年間で中継ぎが担うイニングは143✖4=572→回跨ぎや延長は度外視してもひとり50試合として11~12人一軍レベルの中継ぎ投手を揃える必要があります。そんなに揃っていたらどこも苦労はしていないのは承知のうえでベイスターズにいる投手でざっと挙げてみましょう。
山崎、パットン、エスコバー、砂田、三嶋、三上、バリオス、田中、平田、国吉、中後、武藤…他にももちろん居ますがいったん12名。ドラフトもありますが、この12名+αだけでシーズン戦いきれるとは残念ながら誰も思わないでしょう。信頼できる投手への負担がどうしても多くなることは容易に想像できます。
提案の前に大前提としては各自の底上げです、今年は大家二軍投手コーチの尽力で何名かの投手がカットボールを習得し投球の幅が広がったと言われていますが、球種以外にも攻め方やリリースや立位置など工夫を繰り返して欲しいと思います。評価は結果が全てですが、起用段階としては準備が見えないことには使えません。
その上で提案ですが、こちらは二つ。
ひとつ目は中継ぎ投手のローテーション制、かつ年間の球数を目安とする。ローテーションは権藤さんの時代に実践されていたことなので新しいことではありませんが、問題は球数のほうです。先発投手で考えると仮に年間25試合程で毎試合100球なら2500球、中継ぎだと連投や急な準備もあることから体への負担も倍以上とすると目安は1000球程度となるでしょうか。50試合登板なら試合辺り20球ほどなので目安程度にはなるのではないかと思います。今年のベイスターズでは三嶋が60試合1100球を越えていますので「最も負担過多」な投手であったかもしれません。
ふたつ目はオープナーの導入。
メジャーリーグでもマイノリティな取り組みではありますが、中継ぎ投手を先発させる起用法です。初回の上位打線のみを任せて2~6回を先発投手、789を継投させることで先発投手が三順目に掴まる可能性を後ろ倒しする狙いです。後ろ倒しなだけでトータルで見たら投手が変わるわけでもありませんが、ポイントは統計上初回の失点は勝敗に与える影響がもっとも少ないところでしょう。仮にオープナーは週2回投げるとしたら3人、そのぶん後ろで投げる投手は8~9人程で良くなります。オープナーが初回を抑えてくれることで先発の弱いチームは防御率の改善が期待できます。実績についてはサンプルが少ないですが、過去にMLBレイズが実践したものを分析した記事を参考にさせていただきましたが今は数字の話は割愛します。
誰に任せるかとなると、第一候補は「先発を任されることのあった投手」になるでしょうか、先発でもロングリリーフでもという使われ方をしていた球に力はある投手に全力で向かって欲しいと思います。先程の中では国吉平田バリオスあたり、、の投手に期待します。

ダラダラとした長文になってきてしまったので、守備についてはまた後日。
ありがとうございました