ベイスターズとスポーツ界を勝手に見守るブログ

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プロ野球の戦力均衡政策は必要か

突然ですが前回少し書いたことを広げてみます。

掲題の通り、プロ野球は戦力均衡化すべきか否かを考えてみようと思います。
といってもこのような話題は色々なところで既に既出ではありますので、あくまでじぶんなりに自分の言葉で呟くだけということをご容赦くださいませ。

結論から言うと、日本プロ野球はもう少し戦力均衡に取り組んだ方が良いと思います。

そもそも今現在の日本プロ野球が戦力均衡を行っているかというと、「極端な戦力差が生まれないように」最低限の対応を行っていると考えます。ウエーバードラフト、外国人枠、FA人的補償、というところでしょうか。基本的にはある程度戦力均衡は必要と考えつつもあくまで運営経営は各球団matterというところです。


まず世界で戦力均衡がなされているスポーツと、そうではなく一極集中が起きているスポーツとをそれぞれ例を取り上げて考えてみます。
前者として有名なのはアメリカンフットボールNFLがあります。後者としては海外サッカー、ブンデスリーガリーガエスパニョーラ辺りが特に顕著ではあります。

NFLにおいては、大前提として「戦力均衡化することが試合の盛り上がりに繋がる=興行として活性化する」という考えに基づいて運営されています。各チームへの分配金やドラフトにおける情報管理など、戦力整備に必要な情報や権限を全て機構側が管理することで大きな戦力差が生まれないようコントロールされています。
そのため各チームの管理者に求められることはスカウティング以上に、現有戦力における最適な戦略立案であったり相手の分析など、毎シーズンごとの勝利を如何に積み上げるかということに絞られています。アメフトは戦略がとーーっても多く重要なので、それに集中できるというのはチーム側としても利にかなっているのかもしれませんね。
とはいえせっかく戦略を浸透させてスターが多く生れたとしても、お財布は握られている状態なので高年俸になった選手を全員抱えていくことはできません。そのなかでやりくりをしていく訳ですから、毎シーズン、毎試合に対する緊張感というかひとつの勝利に対する熱量はとても大きなものとなるのでは無いでしょうか。

次に後者として海外サッカー、例えばブンデスリーガでは昨シーズンまでバイエルンミュンヘンが6連覇を達成しています。リーガエスパニョーラ1部でも2013年のアトレティコを除いて2004年からバルセロナレアルマドリードの2チームどちらかの優勝が続いています。(アトレティコシメオネ就任以降すばらしいチームを作り上げていますが、シメオネについては話が逸れちゃうのでまたいつか…)
にも関わらず観客動員は下がるどころか衰え知らずで変わらず愛され続けています。
海外サッカーに関しては、「如何に正しい経営をしつつチームを強化していくか」ということが常に考えられています。例に挙げたブンデスリーガは特に経営に厳しいと言われ、赤字が続くと多数のペナルティが課され存続自体困難となります。サッカーというスポーツの競技人口は世界最大であり多くの国で根付いた文化であるということもあるかもしれませんが、戦力差という面では大きな差が生まれていてもしっかりとした人気運営が続けられています。


両者の大きな違いとしては、「経営が各チームに任せられているかどうか」であると考えます。経営が各自であれば資金のあるチームは補強による積極的な強化を進め、資金の無いチームは有望選手を高い移籍金で移籍させまた新たなスターの育成に励む、結果として戦力差としては開いていくことになります。日本プロ野球は経営が各球団に任せられているため、形としては戦力差が開いて然るべきリーグであると思います。ただそうなると国内リーグ戦において勝敗予想がつきやすい試合が多く展開されてしまいひとつの勝敗に対する盛上りに欠けてしまうことでしょう。

経営が任されている海外サッカーにおいてはリーグ戦以外にも上位チーム同士が参加するチャンピオンズリーグUEFAカップといった舞台が用意されます。強く戦力が充実しているチームはその分だけスペクタクルなゲームを見せる責任を負うわけです。リーグ戦においても上位チームはその舞台に立つため取りこぼせない、下位チームは過密日程の上位を相手にジャイアントキリングを狙いつつプレーのアピールをする、ということで戦力差があってもエキサイティングな試合が多く生まれるのではないでしょうか。野球と違って毎日のように試合が行われるわけではないということももちろんですが。

国内プロ野球においては国内リーグと別の舞台が存在しないので、このような良いサイクルを生むのは難しいと思います。アジア圏で上位リーグを組むことも面白いですが、競技人口をサッカーと比べてしまうと規模としても現時点では少し疑問符がつきます。


ちょっと話が逸れてしまいましたが、日本プロ野球においてはソフトバンクはハッキリと世界一の球団になるということを目指しています。事実ソフトバンクは着々とチーム力が上がり毎年のように優勝候補となっています、そしてパリーグ各球団はソフトバンクに離されまいと対策を練っています。近年のパリーグセリーグよりもレベルが高いと言われる理由にも繋がっているのではないかと思います。
NPBがどう思っているかわかりませんが、いまのままではこの先も戦力差が広がっていくことになると思います。そういう形になっているのですから。

個人の考えとしては、12球団のみ/上位リーグが有るわけでもない/世界的に競技人口が圧倒的ではない野球というスポーツ、においては戦力均衡のほうが興行として盛り上がるのでは無かろうかと現実的に思う次第です。
(さらに現実的にいえばこれまでこのやり方でやってきた各経営陣が賛成するとは思えませんが)


ただし、ただし、これは結局プロ野球がどこに向かいたいのか方向性次第です。何を最優先に考えるか次第です。
メジャーへの人材流出を防ぎたいのかまんべんなく優勝して盛り上がってほしいのか野球人口を増やしたいのか…
特にここ最近は野球界に対する変化の波が徐々におしよせていると感じます。選手による現役ドラフトの提案、筒香選手なども訴えるアマチュアのトーナメント制への疑問、クライマックスシリーズ再考の動きなどなど。近い将来NPBも方向性の舵を切るべき時が近づいている、そんな気がするのです。


お付きあい頂きありがとうございました